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2005-12-07-Wed 発想と刷り込み [長年日記]

_ 「西遊記」

来年、香取慎吾主演でリメイクされる、という話は別に目新しい話題ではない。たまたま、今日、勤め先で回ってきた新聞のクリップ回覧で2006年のトレンド予想という中に入っていたので思い出しただけ。

位置づけとしては、かつて堺正章や夏目雅子、岸部シローなどが演じた作品のリメイクらしい。で、今回も三蔵法師は女優がやるようだ。

問題はそこだ。

夏目雅子のときには、それ自体が斬新なアイデアということだったが、別に、三蔵法師は女じゃないんだから、絶対に女優がやらなきゃいけないという決まりはない。というか、女優がやることがイレギュラー。リメイクっつーても、手法までただなぞるだけなら、再放送でもいいような気がする。

さて、「斬新」と書いたが、本当に斬新だったのだろうか。あの時、三蔵法師を女性に置き換えるヒントはなかったのだろうか。あったはずだ。それは、手塚治虫原作で、「鉄腕アトム」の後番組として放映された「悟空の大冒険」である。スリー、ツー、ワン、ゼロ、ドカーン! の、あのアニメである。

あの作品の三蔵法師は、かなり口調がオカマっぽい設定で、他方ではアラン・ドロンなどの声を当てていた野沢那智が、本領(?)をいかんなく発揮して、「いやぁだぁ〜」などと叫んで逃げ回る三蔵法師を熱演していた。

三蔵法師が女性的、というイメージは、少なからずこのアニメの影響によるところが大きいはずだ。夏目雅子のキャスティングに、「悟空の大冒険」の影を見るのは当然だろう。

だからね、轍を踏むだけでは新しいものは生まれないんだって。

新しい三蔵法師を生み出さなくちゃ。極端な例。ボビー・オロゴン。

「なにやってんだよ、勝手に空飛んでんじゃねーよ」「ふざけんなよ」……という三蔵法師。ま、馬がかわいそうなので、これはやらないほうがいいと思うが、前作を超える気がない奴が作ったドラマって、なんかイマイチ観る気が起きないんだよね。

すべての原点はここに

ついでに注文しちゃった。


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