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2004-03-18-Thu いま、京都にいます [長年日記]

_ 寒い

関東は昨日の暖かさでサクラが開花とか浮かれているのに、京都に着いたらいきなり寒い。天候の回復も遅れているようで、空もどんよりしているので大津(琵琶湖)に行く予定を明日に回して、今日は京都市内を回ることにする。

_ まず、山科

目的は、琵琶湖疏水である。まぁ、こちら方面にくる観光客の100人に99人は毘沙門堂が目的なのだろうが、ワタクシは違うのである。途中に「おらがそば 安兵衛」という蕎麦屋(本来は京料理屋)があったので、ちょっと遅い昼食。ここから疏水はすぐそば。もう少しあとなら桜がさぞやきれいだと思われるのだが、まだ固いつぼみ。大津方向に歩くと、やがて疏水は左に曲がってトンネルの中に消えてゆく。

道はそのまま遊歩道として続いているので、とりあえず切りのいいところまで歩いてみる。右手にはJR東海道線を眼下に切り立った道になり、遠く見える京阪の駅に降りる道はしばらく行かないとありそうにない。

夜来の雨の雫が花のよう

ようやく一燈園という寺のところで右に下がる道があったので、京阪電鉄の四宮駅まで降りる。ここからは相互乗り入れの地下鉄東西線で蹴上に向かう。

_ 東山

蹴上で降りて、まず向かったのは「琵琶湖疏水記念館」。京都というと、平安時代とか鎌倉時代とかの名所旧跡国宝重文めぐりが定番だが、明治維新後のこういう「京都」というのも実は面白いのである。琵琶湖疏水などは、ほとんどプロジェクトX的世界なのであるが。

_ 無鄰菴

疏水記念館のすぐ近くにある、無鄰菴は、疏水の水を取り入れた池泉回遊庭園が見もの。庭自体は小ぢんまりとしているが、小さな宇宙観が凝縮されていて、小川治兵衛の初期作品として評価の高いところ。

正直、自分がそう思うのかと言われれば、いまいちダイナミックさに欠けるしポイントがはっきりしないような気がしなくもないのだが。まぁ、ここを作らせた明治・大正の元老のことは触れないことにしよう。どうせいいことは言わないからね、ワタクシの場合。

無鄰菴会議の場という洋館2階の1室

_ 南禅寺

続いて南禅寺。疏水記念館と無鄰菴、南禅寺は、ほとんど隣り合う感じである。ただ、南禅寺の境内はひじょうに広大なのであるが。

南禅寺山門

今回の目的は、ちょっと奥にある水路閣と南禅院庭園。水路閣は、琵琶湖疏水を通すための水道橋で、レンガ造りの重厚なアーチ橋。明治建築好きとしては、非常に興味深い。味がある。

疏水脇の南禅院の庭園を拝観し、ここから水路閣の上に出る。

しばらく歩いていくと、ダム状の場所に。発電施設らしい。

さらに進むと、疏水記念館に続くインクラインの上に出る。インクラインとは、高さの異なる水路と水路を結ぶために船などを運ぶために作られた鉄路、一種のケーブルカーである。この線路などが今もこの一角には残っている。これも最近ブームの「廃線」といえるだろう。

_ お茶屋さん

19時からのBUCHI氏と打ち合わせ前に、とりあえず一度宿にチェックインして、ロビーのPCで仮更新。あ、例によって、トップページはWEB上では更新できないので、昨日の日付のまま。

八坂神社近くの居酒屋の後、お茶屋さんに連れて行ってもらう。何年ぶりかなぁ(少なくとも15年は経っている)。もっとも、前回も仕事がらみでそのとき限りだったのだが。お茶屋といってもお座敷ではなく、一角にあるバースペース。へぇ、こんなところもあるんだ。buchi氏のお呼びで登場した舞妓さんをまじえて1時間ほど。お茶屋さんというところ、聞けば、お客さんの現地秘書から個人商社のような働きもするそうで、たとえば宿の手配から土産、知人への贈答品手配まで引き受ける信用商売なのだそうだ。つまり、すべての支払いを代行までしてくれるクレジット会社のような機能も果たしている。そういう身分になることはないだろうけど、京都のある種合理的システムのひとつであることは間違いない。

23時くらいに宿に戻る。

(ちなみに、表示されている「弱いにわか雨」というのは、京都の天気ではない)


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